用途地域について(3)商業・工業系の地域
2017年06月21日
こんにちは!富商不動産です。
さて今回は前回に引き続き用途地域の特徴についてお話したいと思います。
前回は住居系まででしたので、今回は商業系と工業系についてお話します。
・近隣商業地域
近隣の住民が日用品の買い物などをするための地域です。住宅や店舗のほかに150㎡までの工場も建てられます。商店が立ち並ぶにぎやかな環境になりますが、住宅地に近接した地域なので住居系並みの容積率が設定されており、また商業地域と違い日影規制があるのも特徴です。商店街を形成しやすい地域で、金沢では新竪町商店街や金沢駅前別院通り商店街、平和町大通り商店街などがこの地域になります。
・商業地域
主として商業等の業務の利便を増進するための地域です。近隣商業地域の用途に加え、キャバレーやナイトクラブを建てることができます。街の中心部や駅のまわりなどに指定され、多くのビルが立ち並びます。基本的に住環境が重視されない地域なので日影規制がないのが特徴です。
・準工業地域
主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。商業地域と並んで建てられる用途が多い場所ですが、商業地域より容積率や日影規制は厳しく、危険性、環境悪化が大きい工場や風俗店などは建てられません。工業系とはいえ住宅も多く、町工場と住宅が混在する街並みになります。石川県では一種住居に次いで広い範囲にこの準工業地域の指定がされています。
・工業地域
主として工業の業務の利便の増進を図る地域で、どんな工場でも建てられる地域です。住宅や10000㎡以下の店舗などは建てられますが、学校や病院、ホテルなどを建てることができません。工場跡地を利用しての土地区画販売されることもありますが、この場合埋設物等の可能性もあるので事前に何の工場の跡地なのか把握をしておいた方がよいでしょう。
・工業専用地域
工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、戸建てはもちろんマンションなどすべての住宅を建てることができない地域です。
以上が各用途地域の特徴です。土地を購入する際、ご自身の建築目的や希望するライフスタイルが購入予定地の用途地域と一致することが肝要です。現在の見た目上の状況が一致していても、将来的には用途地域上可能な範囲の建物が近隣に建つことがあります。また用途地域の分布は入り組んでいることが多く、第一種低層住居専用地域の近くに商業地域がありこともあります。土地を検討される際はその土地の用途地域のほか近隣の用途地域も確認しながら検討をするとよいでしょう。