仮換地と保留地①
2018年01月10日
こんにちは!富商不動産です。本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、不動産を購入する際や住宅ローンを組む際に仮換地や保留地という言葉を聞いたことはないでしょうか?
古くからある住宅地では狭く曲がりくねった道のまま住宅が建てられ、いびつで不整形な敷地となっているところが多くあります。自動車がそれほど普及していなかった時代では特に生活に支障がないものでしたが、車社会の現在ではこのような道は不便な上、防災の面からみても大変危険といえます。そこでこのような土地を整理し、安全で快適な住みやすい街にするため、土地の区画形質の変更や公共施設(道や公園など)の新設・変更を行う事業が土地区画整理事業です。金沢市においては近年では大河端や直江、野田などで行われています。
土地区画整理事業では、事業区域の土地の持ち主から少しずつ土地を提供してもらい、道路の新設や公共施設の整備を行います。各々の敷地はその面積をある程度小さくした上で再配置されます。これを減歩といいます。
〇仮換地
土地区画整理事業の工事中に土地の持ち主がもともと所有していた土地である「従前の土地」の代わりに使用できるよう指定された土地のことを「仮換地」といいます。仮換地が指定されると従前の土地について使用・収益する権利=使用収益権は仮換地に移行され、従前の土地の使用収益権は失われます。しかし所有権自体は従前の土地に残っているので売買は可能であり、移転登記も従前の土地について行います。但し、買い受けた後実際に使用収益ができるのは仮換地となります。つまり仮換地では使用収益権は仮換地に移行されますが、所有権等の権利関係は事業が終了するまでは「従前の土地」がベースとなるというわけです。仮換地は区画整理事業が終了すれば換地処分が行われ、従前の土地に関する権利は新しい換地に移ることになります。
従前の土地と仮換地の不均衡が認められる時には、清算金の交付や撤収によって解決が図られます。この清算金は換地処分の公示日の翌日に確定しますので、仮換地の不動産売買の際は従前の土地の詳細を調べ、清算金の帰属先をどうするのかなどを確認しておくことが大切です。
次回は保留地についてお話したいと思います。